この記事でわかること
- 9kWhの見積もりは太陽光と合わせて220万円、回収15年だったこと
- 夜間15円の料金プランだと、貯めるより売った方が得になる計算
- 国のDR補助金の現況と、わが家の地域の自治体補助が10万円だったこと
- 11ヶ月住んで停電が一度もなく、昼に家電を回す工夫もしていないこと
- 全負荷型と特定負荷型の違いと、蓄電池が向いている人
新築で太陽光を検討すると、ほぼ必ず蓄電池もセットで提案されます。昼に発電した電気を貯めて夜に使えば、電気を買う量が減ります。停電のときも家電が使えます。説明を聞くと確かに良さそうに思えます。
わが家は見積もりまで取って、蓄電池を見送りました。入居から11ヶ月が経ちましたが、いまのところ後悔はしていません。前提は、東海圏の注文住宅、2階建て・延床33坪、夫婦と子ども1人、オール電化、太陽光5.28kWで蓄電池なし、契約は中部電力のスマートライフプランです。
9kWhの見積もりは太陽光と合わせて220万円、回収15年だった
打ち合わせでは、長州産業とQセルズの2社から蓄電池の見積もりをもらいました。容量は9kWh、特定負荷型という仕様です。特定負荷型を選んだのは、全負荷型より価格が抑えられて、本体のサイズもコンパクトだったからでした。見積書が手元に残っていないので金額は書きませんが、太陽光と蓄電池を合わせると220万円ほどになり、回収の試算は15年という話でした。
公開されている相場を調べると、家庭用蓄電池は本体と工事費を合わせて総額110万円から300万円、1kWhあたり15万円から20万円が目安とされています。9kWhなら150万円から200万円あたりが中心価格帯で、わが家がもらった見積もりもこの範囲に収まる金額でした。
15年という数字を見たとき、太陽光単体との差が気になりました。太陽光だけなら10年弱で回収の見込みが立ちます。実際の数字は新築で太陽光5.28kWを載せた。11ヶ月の発電量と電気代を全部公開するに書きました。蓄電池を足すと、回収まで5年延びる計算です。
さらに、この15年にはパワーコンディショナーの交換費用が入っていません。パワコンは太陽光の電気を家庭用に変換する装置で、10年から15年で交換が必要になると言われています。蓄電池の寿命も同じくらいで、メーカー保証は10年から15年が一般的です。ようやく元が取れる頃に保証が切れて容量も落ちている、という状態を想像すると判断がつきませんでした。
夜間15円のプランでは、貯めて使うより売った方が得になる
蓄電池のメリットとして説明されるのは、昼に貯めた電気を夜に使えば高い電気を買わずに済む、という点です。ただ、これは夜の電気が高い場合の話になります。わが家が契約している中部電力のスマートライフプランはオール電化向けの時間帯別プランで、夜間の単価が安いです。2026年8月分の明細から実際の単価を計算すると、こうなっていました。
| 時間帯 | 1kWhあたり |
|---|---|
| デイタイム(平日の昼) | 約37円 |
| ホームタイム(朝夕・休日の昼) | 約27円 |
| ナイトタイム(夜間) | 約15円 |
夜間は昼の半分以下です。蓄電池で置き換えられるのはこの15円の電気なので、貯めて使っても浮く金額は小さくなります。同じ電気を売れば16円で売れることを考えると、貯めるより売った方が得な時間帯すらあります。
営業の試算では、蓄電池のメリットは電気を買わずに済む金額として計算されます。その計算に自分の契約プランの単価が反映されているかは、確認した方がいいです。一般的な条件で作られた試算をそのまま受け取ると、判断を間違えます。
補助金は国も自治体も調べたが、わが家の地域では10万円だった
蓄電池の補助金について、ハウスメーカーの営業担当から説明はありませんでした。自分で調べたところ、当時わが家が使えそうな補助金は10万円程度で、200万円の設備に対しては誤差の範囲でした。ここも見送りを後押ししています。
家庭用蓄電池向けの国の補助金は、SII(環境共創イニシアチブ)が窓口のDR補助金です。2026年度の令和7年度補正は、1申請あたり60万円が上限で、公募期間は2026年3月24日から12月10日の予定でした。ただ、2026年5月29日に交付申請額の合計が予算に達したため、期間内でも受付は終了しています。前年度も公募開始から約3ヶ月で予算上限に達しており、2年続けて期日前に締め切られた形です。検討するなら令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業(SII公式)で、その時点の状況を確認してください。
国とは別に、自治体独自の補助金があります。地域差が大きく、東京都は国と合わせて100万円を超える補助が見込めるケースもある一方、わが家の地域では10万円程度でした。国の受付が終わっている時期でも自治体の制度は動いていることがあるので、お住まいの自治体名と蓄電池 補助金で検索して、その年度の制度を確認してください。国の補助金と併用できる場合が多いです。
価格の幅が広い設備
わが家が見たのはハウスメーカー経由の2社だけで、他の業者がいくらで出すのかは分かりませんでした。相場を調べると9kWhで150〜200万円あたりが中心ですが、この幅の広さがそのまま業者ごとの差です。
蓄電池は本体の仕入れ値も工事費も業者によって変わります。全負荷型か特定負荷型かでも金額が動くので、条件を揃えて複数社の見積もりを並べないと、提示された金額が妥当かどうか判断できません。
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11ヶ月住んで、停電は一度もなく、昼に家電を回す工夫もしていない
蓄電池を検討する理由として一番よく挙がるのが停電対策です。わが家は入居から11ヶ月、停電を一度も経験していません。地域や年によるので運の要素も大きいですが、実感としては、なくて困った場面がなかったということになります。
太陽光を載せると、昼のうちに洗濯や食洗機を回すと得だと言われます。わが家は特にそういう工夫をしていません。夫婦とも在宅で仕事をしているので、意識しなくても日中に電気を使う生活になっていて、結果として自家消費が増えています。
蓄電池がなくても、発電した電気の3割ほどは自家消費できています。残りは売電に回っていて、太陽光だけで年間12万円前後のメリットが出ました。
蓄電池が向いているのは、日中不在・夜間割引なし・停電対策を重視する人
見送った立場ですが、蓄電池が合う家庭もあると思います。日中に家に人がいない家庭は、発電した電気を昼に使えないので、貯めて夜に使う価値が出ます。夜間割引のない料金プランの人も、夜の電気が高いなら貯めた電気の価値が上がります。停電対策を重視する人、災害の多い地域や医療機器など電気が止まると困る事情がある場合も同じです。
売電単価が下がった後を見据える人にも意味があります。11年目以降は売電が8円まで下がるので、そのときは売るより貯めて使う方が得になります。これはいずれわが家にも関係してきます。
もう1つ、見積もりを取って初めて説明された違いがあります。蓄電池には全負荷型と特定負荷型があり、停電時に使える範囲が変わります。全負荷型は家中のコンセントが使え、200Vの機器にも対応するものが多い代わりに価格は高めです。特定負荷型はあらかじめ決めた回路だけが使え、冷蔵庫とリビングの照明とコンセントといった形になりますが、価格は抑えられ本体もコンパクトです。
蓄電池があれば停電しても普段どおり、と思っていると、特定負荷型を選んだときに想定と違うことになります。見積もりを取る前に、この違いだけは知っておいた方がいいです。
やり直しても見送る。次に考えるのは、パワコン交換と売電8円が重なる11年目
太陽光を先につけて、蓄電池を後から追加することはできます。ただし条件があって、既存のパワコンとの互換性を確認する必要があります。太陽光のパワコンがハイブリッド型に対応していなければ、蓄電池用のパワコンを別に設置する単機能型にするか、パワコンごと交換することになります。単機能型は他メーカーの太陽光にも後付けしやすい製品がある一方、パワコンが2台になるので設置スペースが要ります。同時に設置する場合と比べると、工事費も余分にかかります。
わが家は太陽光のパワコン交換の時期に、蓄電池の価格と補助金の状況を見て改めて考えることにしました。売電単価が16円から8円に下がるタイミングとも重なるので、そこが次の判断時期になります。
見送りの判断そのものは変えません。変えるとすれば、見積もりの取り方です。ハウスメーカー経由の2社だけでなく、回収年数をパワコンの交換費用込みで出してもらったうえで、他の業者の価格とも並べます。
調べていたときに欲しかったのは、蓄電池があると便利という話ではなく、自分の料金プランに当てはめた数字でした。
今から選ぶなら
わが家の見送りは、夜間15円のプランと、日中に在宅している生活が前提です。条件が違えば結論も変わります。
これから太陽光を載せるなら、太陽光と蓄電池をまとめて検討することになります。自分の料金プランに当てはめて計算し直したうえで、複数社の価格を比べるのが先です。
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太陽光そのものの回収年数は太陽光は元が取れるのか。11ヶ月の実測データで回収年数を計算したに書いています。


