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太陽光は元が取れるのか。11ヶ月の実測データで回収年数を計算した

お金会議

この記事でわかること

  • 5.28kW・導入費117.6万円の太陽光が、11ヶ月の実測で年間12万1,000円のメリットを出した
  • 回収9.7年の中身。売電が7万4,000円、自家消費の節約が4万7,000円
  • 11年目に売電単価が16円から8円になると、年間メリットは8万4,000円に落ちる
  • パワコン交換とメンテナンスを引いた20年の収支は50〜60万円のプラス
  • 元が取れにくくなるのは、北向きの屋根・相場より高い設置費用・日中不在・補助金なし

太陽光発電を検討していたとき、元が取れるのかを調べても、出てくるのは業者や見積もりサイトの記事ばかりでした。結論はどれも取れますで、売っている側が書いているので当然です。しかも中身はシミュレーションで、実際に住んでいる人の数字ではありません。

わが家は2025年9月に入居し、5.28kWの太陽光を載せました。11ヶ月分の実測データが溜まったので、それを使って回収年数を計算します。前提は、東海圏の注文住宅、2階建て・延床33坪、夫婦と子ども1人、オール電化で蓄電池なし、契約は中部電力のスマートライフプランです。

先に書いておくと、損はしませんが劇的に儲かるわけでもない、という数字になりました。売る側ではない立場で、都合の悪い数字も含めて出します。

5.28kWの太陽光で、年間のメリットは約12万1,000円だった

計算に使ったのは、次の実測値と契約条件です。

項目数値
システム容量5.28kW(Qセルズ 440W×12枚)
導入費用1,176,000円(税別)
11ヶ月の発電量(2025年10月〜2026年8月)5,824.9kWh
年間換算約6,354kWh
売電の比率約73%
売電単価16円/kWh(11年目以降は8円)
買電単価(昼)約27円/kWh

月ごとの発電量の詳細は新築で太陽光5.28kWを載せた。11ヶ月の発電量と電気代を全部公開するに出しています。1kWあたり年間約1,200kWhで、一般的な目安とされる1,000〜1,200kWhの上限あたりでした。

太陽光の経済効果は、売って得るお金と、買わずに済むお金の2つに分かれます。年間発電量6,354kWhのうち約73%にあたる4,639kWhを売電していて、単価16円で年間約74,000円です。残りの約1,716kWhは自宅で使っていて、電力会社から買わずに済んだ分になります。スマートライフプランでは太陽光が発電する昼の単価が約27円なので、掛けると年間約47,000円です。

合わせて年間約121,000円になります。導入費用の1,176,000円をこの金額で割ると、約9.7年で回収という計算です。

11年目に売電単価が16円から8円になり、年間メリットは約8万4,000円に落ちる

FIT(固定価格買取制度)で16円で買い取ってもらえるのは10年間です。11年目以降の売電は4,639kWhに8円を掛けて約37,000円、自家消費の節約は約47,000円のままなので、合わせて年間約37,000円減ります。回収がちょうど終わる頃に、収入が3割落ちる構造になっています。

逆に、自家消費の割合が高いほど11年目以降の影響は小さくなります。わが家の自家消費は27%ですが、これが50%を超える家庭なら、売電単価の下落はあまり関係ありません。日中に在宅している家庭の方が、太陽光は有利に働きます。

パワコン交換とメンテナンスを引くと、20年の収支は50〜60万円のプラス

パネルの寿命は一般的に20〜30年とされているので、20年で区切って計算します。

期間年間メリット累計
1〜10年目約121,000円1,209,000円
11〜20年目約84,000円838,000円
20年累計—2,047,000円

累計2,047,000円から導入費用1,176,000円を引くと、20年で約871,000円のプラスです。ただし、ここには入っていない費用が2つあります。

パワーコンディショナーは太陽光の電気を家庭用に変換する装置で、10〜15年での交換が必要とされています。費用は20〜30万円程度で、仮に25万円として15年目に交換すると、20年の収支は約621,000円になります。定期点検を数年ごとに行う場合は1回あたり数万円かかるので、20年で10万円程度を見込むと約52万円まで下がります。厳しめに見た結果が、見出しの数字です。

ただし、この9.7年も20年の収支も、わが家の屋根と設置費用での答えでしかありません。わが家はハウスメーカー経由の1社だけで決めたので、117.6万円が安かったのか高かったのかを比べたことがありません。

自分の屋根ならどうか

わが家はハウスメーカー経由の1社だけで決めました。だから117.6万円が安かったのか高かったのか、今も比べる相手がいません。

太陽光は、同じ容量でも屋根の条件や施工会社によって発電量と設置費用が変わります。今からなら、契約前に一度ほかの見積もりも取ります。

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元が取れにくくなるのは、北向きの屋根・相場より高い設置費用・日中不在・補助金なし

屋根の条件が悪いと発電量が落ちます。北向きの屋根、周囲の建物や樹木の影、複雑な屋根形状でパネルが分散する場合です。発電量が2〜3割落ちれば回収年数はそのまま2〜3割延びるので、わが家の年間6,354kWhが4,500kWhになれば、回収は13〜14年になります。

設置費用も回収年数を直接動かします。2026年時点の相場は5kW前後で総額120〜150万円程度とされていて、わが家の117.6万円は5.28kWなのでこの範囲に収まっていました。仮に150万円だったら、同じ発電量でも回収は12.4年です。

日中の電力使用がほとんどない家庭も不利になります。自家消費できないと、発電した電気はすべて安い単価で売ることになるからです。補助金の有無でも変わります。わが家はGX志向型の補助金を受けていて、これは太陽光だけでなく住宅全体の省エネ仕様に対するものですが、実質的な負担は下がっています。

つまり元が取れるかは、屋根の条件、設置費用、電気の使い方、補助金の4つで決まります。一般論として取れる、取れないと言えるものではありません。

回収年数に出てこないのは、電気代の値上がりと、屋根の修繕やパネルの処分費用

プラスに働くのは電気代の値上がりです。買電単価が上がれば自家消費の節約額も増えますが、この計算は現在の単価で固定しているので、実際はもう少し有利になる可能性があります。停電したときにパワコンの自立運転で日中の電気が使えるのも、金額には出ない部分です。

マイナス側もあります。この収支は年間に直すと2〜3万円で、同じ金額を他に投資した場合と比べてどうか、という見方はできます。屋根に設備が乗る以上、将来の修繕や葺き替えのときに脱着費用がかかる可能性がありますし、パネルの処分費用も20年以上先にいずれ発生します。

わが家としては、載せたことに納得しています。ただ、絶対に載せるべきだとは思いません。

やり直すなら載せる。ただし契約前に、ハウスメーカー経由以外の見積も取る

屋根が南向きで影がなく、在宅勤務で日中に電気を使う家なので、条件は合っています。載せるという判断は変えません。変えるのは、契約前にハウスメーカー経由以外の業者からも見積を取ることです。117.6万円が相場内だったのは結果論で、当時は比べていません。

見積を取ったときに見るのは、その屋根で年間どれだけ発電するかと、設置費用がいくらかの2つです。業者のシミュレーションの発電量は、実測の1kWあたり1,200kWhと比べて妥当かを確認します。大きく上振れした数字を出してくる業者は避けます。

蓄電池は今回と同じで見送ります。理由は太陽光に蓄電池をつけなかった。11ヶ月住んで後悔していない理由に書きました。

11ヶ月分の数字を並べて分かったのは、調べていたときに欲しかったのは取れますという結論ではなく、この計算に必要な数字が何かという情報だった、ということでした。

今から選ぶなら

回収年数は、屋根・設置費用・電気の使い方・補助金の4つで決まります。この記事の9.7年は、わが家の条件での答えでしかありません。

今からなら、自分の家の4条件で何年になるかを確かめてから決めます。

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